診療内容
当院は1994年に開 院。
2000年に現在の位置に移転し、2001年から精神科デイケアを開設しています。
地域に密着した診療所としてうつ病・うつ状態やパニック障害、統合失調症など代表的な疾患から、青年期・成人の広汎性発達障害(アスペルガー症候群、ADAHなど)や、高齢者の認知症まで様々なこころの病の診断・治療、相談・家族相談等にあたっています。
うつ病・うつ状態やパニック障害
統合失調症
青年期・成人の広汎性発達障害
高齢者の認知症
●開院30周年に当たって●
当院はこの4月、開院30年となりました。
30代前半という未熟な年齢での開業でしたが、地域の皆様や医師会の先生方のご支援・ご協力によりここまでたどり着くことができました。
大変ありがとうございます。
中でもこの10年は北区・上京区の地域ケアカンファレンスに地域包括センターの方々と取り組み、先月100回目を達成することができました。
地域の介護・福祉の方々のすばらしい力に頭が下がると共に、その活動に微力ながら参加できたことは大きな喜びです。
また、同じくこの間、石巻の災害支援活動にも継続して取り組んでまいりました。
これもまた多くの学びをえられ、継続して良かったと思っております。
どちらも関係者の皆様に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、この30年を振り返ると本当にいろいろなことがありました。
開業の翌年1995年1月には阪神大震災があり、3月にはサリン事件があり、そうした影響もあって「心的外傷」が社会的に大きく注目されました。
同じ頃製薬メーカーによるうつ病の啓発活動などもあり、「心の時代」などと心療内科やカウンセリングがもてはやされるようにもなりました。
それに伴って精神科の診療報酬も引き上げられ、精神科診療所も増加。1994年の開業当時、京都市内の精神科診療所は20数軒だったと記憶します。それが現在は診療所協会所属の医療機関だけで80軒以上となっています。
それでもどの医療機関も患者さんであふれ、初診まで長く待機していただかなくてはいけない状況になっています。
いろいろな要因があるのだと思いますが、それだけ生きづらい世の中であるということでもあるでしょう。また、その生きづらさが社会の問題としてより「自己責任」として個人に負わされる傾向が強いこともあるように感じています。
一方で一時は優遇された精神医療に対する診療報酬は、「薬漬け」「話を聞かない」「受診までの待機が長い」等々多くの批判も受けるようになり、この10年はどんどん減額されてきています。今回の診療報酬改定も同様で、精神科診療所はかなりの減収になると思われます。
批判にはもっともな部分もあり真摯に受け止めなければいけないと思っています。
しかし人件費を筆頭に様々な経費が高騰する中での診療報酬の減額は、医療機関の体力を損ないさらに提供する医療の質を下げるのではないでしょうか。大変憂慮するところです。
これら一連の精神医療を巡る流れの背景には、そもそも精神疾患や精神医療というものに対する無理解・誤解(偏見と言っても良いでしょう)があるものと考えています。
当院は開業当初から、自院だけで完結するのではなく地域の様々な医療機関や介護・福祉施設等との連携の中で診療を行うということを基本理念としております。その理念は今も変わりません。
当院の診療活動が地域の方々の精神疾患や精神医療についての理解を深め、誤解・偏見の緩和や改善に役立つことを願って、大変な状況ではありますがもう少し頑張っていきたいと思っております。
引き続きよろしくお願いいたします。
つばき医院
椿 恒雄
(2024年4月)